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マイペース70代

マイペース70代

本 「大地」パール・バック

今日は、思い出の一冊について。

この本を最初に読んだのは、中学生の時だった。
変動する中国(時代背景は辛亥革命前後)で、
貧しい農民の王龍(ワン・ルン)の青年時代から死(第一部)、
王龍の三人の息子達のそれぞれの生き方(第二部)、
そして王龍の孫の生き方(第三部)を描いた、三部構成の物語。
時代の中で精一杯に生きる人間の姿に、中学生の私は魅了されたのだが、
なぜか一番面白かったのは第一部だった。

やがて私も成長し、二十歳前後の頃にもう一度読んだ時、
第三部にとても共感し、中学生の頃に読み流してしまったのが不思議だった。

結婚し、子育てをしながら仕事をしていた頃、
またふとこの本を手にとって読んだ時、
またまた引き込まれて3度目の読書。
驚いたことにこの時は、
第二部が身につまされるように面白かったのである。

同じ本を二度読むことは時々あるけれど、
三度読んで、それぞれの時期に感動する部分が違ったのは、
今のところこの本だけだった。

そして、三度目につくづく思ったものだ。
私の読書は、いかに自分にひきつけて読む方法なのかと。
自分のその時の気持ちとフィットする時にだけ、
私は「面白い」と思うのだろう。
もう一つ感心したのが、小説家のすごさである。

しかし、三度目にこの本を読んだ頃から、
私は小説をほとんど読まなくなった。
それ以降は、ノンフィクションやエッセイ、
そして必要に迫られる読書の方が多くなった。
そして今、私の読書ジャンルはには、ほとんど小説は入ってはいない。
時々読んだりもするのだが、昔のようにドキドキ・ワクワクしなくて、
あまり面白いと感じない。
私の感性が鈍くなってしまったのだろうか。

・・もう一度「大地」を読んだら、今度はどのように感じるのだろう。
中学生の時購入したこの本は、ちょっと文字が小さくて読みづらくなった。
それでも、懐かしいこの本、老眼鏡をこの際購入して、読んでみようかな。

2005年01月06日


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